火曜日, 10月 27, 2009

wii-tagのソフトウェア部分とか

今度はソフトウェアについて。

結局はペイントソフト

wii-tagのソフトウェア部分は結局の所ペイントソフトです。
元ネタであるLaser Tagのソフトウェアにはセッティング用のツールも含まれてはいるけど、こちらも本質的にはペイントソフトってのは議論を待たないかと。
元々Laser Tagは仮想的にスプレーをレーザーに置き換えたものだし、GRLのGはgraffitiのGなわけで、当然といえば当然ですが。

wii-tagにしても、実際にはマウスでも描く事が出来るように作られているし、他のポインティングデバイス用に拡張しやすいよう、ある程度、気を使って作っていたりもします。
なので、作っているのはwii-tagというより、wii-tagをするためのプラットフォームというのが正しいわけです。丁度いい名前が無いので、もうしばらくはwii-tagと呼ぶ予定。

Laser Tagの面白さ

wii-tagを作ろうと思った頃に、少し考えたのだけど、レーザータグの面白さは、レーザーで描く事ではなくて、都市の壁面に別の文脈を持ち込む点にあるのですよ。
実際には壁面どころか路面にビデオカメラとプロジェクターとパソコンという装置を持ち込んでいるので、言葉による説明によって想像される以上の文脈の衝突があったりするわけです。

今思い出したけど、去年Python with Hardwareのみなさんたちと秋葉原で飲み会をしたとき、居酒屋の壁面にプロジェクションをしたけど、起きている事態としては同じですね。

とはいえ、都市の文脈に別の文脈をぶつけるというのは、スプレーを使ったtaggingやgraffitiやらと変わらないわけで、レーザータグにしろwii-tagにしろ、それら旧来の手法とどうちがうのかってのは、しっかり考えるべき問題かと思います。
現象レベルでは、物理的痕跡が残るかどうかというのが大きな違いではあるけど、そこはあまり重要じゃない予感がします(許可を取る際には大きなポイントですけど)。

火曜日, 10月 20, 2009

wii-tagと自作センサーバー

Laser Tagを自分の中で消化する為に、wii-tagと称してWiiリモコンを使ったLaser Tag的なものを作っています。

動画でないと、さっぱり分からないと思いますが、こんな感じです。

緑色の線は、マウスで描いたもので、紫色の線はWiiリモコンで描いた線です。
ここまで作って考えた事もあるけど、それはとりあえず置いておきます。

さてWiiリモコンを使うには、センサーバーが必要になります。
Wiiの正式センサーバーでも良いのですが、Wii本体の電源が入っているとリモコンをWiiに取られてしまうことがあるので、自作する事にしました。

最初に作ってみたのがこれです。

びっくりするほど、やっつけです。
材料は、赤外線LEDが4個と抵抗2つ。USBで携帯を充電出来るケーブル、導線数センチ。

前にデコチャリの手伝いをしたときに作りました。
ハンダ付けしたところは、その時その場にあった養生テープで一応保護しています。

みかけはひどいですが、ちゃんと動きます。

紫色に光っていますが、これが赤外線です。デジカメを通すと紫色ですが、肉眼では当然見えません。
赤外線が出ているだけでなく、Wiiリモコンも反応してくれました。


一応、これでも使えるのですが、導線が絡まりやすくて非常に使い辛いので、もうちょっとマシな姿に変えることに決定。先週末、材料を集めて工作しました。

その結果がこれです。

かなりセンサーバーらしい形になりました。
材料はほぼ初代から流用しましたが、USB充電ケーブルは捨てて、USBのBコネクタ(メス)をつけてあります。
バーの部分は、千石で「ご自由にお取り下さい」と書いてあったレールです。ICとかが入っているやつですね。

もちろん、ちゃんと光ります。

レールの溝が、typeZの頭にすっぽり入るので、非常に安定しています。

完成と言ってよいとは思いますが、部分的にハンダがむき出しで少し怖い部分があるので、そこの手当ては必要かな。

ソフトウェア側については、また今度書くことにします。

日曜日, 10月 04, 2009

寿町のレーザータグ

はんだの手伝いのついでに寿町でやったレーザータグを見に行った事は書いたけど、今回はその詳細と感想。

現場に行く前に、カメラをギャラリーに向けるなという説明を受けていて、まあ通行人=住人でもある可能性はかなり高いので、それ自体は分かるのだけど、カメラを肩にかけるのも止めた方がいいと念を押されて、昔何かあったのかなあと想像。
自分自身、うちの近所で、ごついデジタル一眼をぶら下げている人を見ると微妙な気分になるし。

事前知識から、山谷と似たような感じかなと思ったけど、実際に行ってみると山谷より活気があるというか人がたくさんいた。
あの時間帯(午後6時)に山谷に行ったことは無いので、正確な比較では無いけど、それでも山谷が東京の外れにあるのに比べると、寿町は横浜の市街地から地続きになっている感覚がある。

レーザータグをやったのは、その時は何も知らなかったけど、今調べたら寿労働センターというところらしい。市営住宅でもあるのかな。
人の家の前で、レーザー光線とプロジェクターによる投影をやるというのは、なかなか乱暴ですな。施設の許可は取っているみたいだけど。

で、設置をしていると、当然ながら人が寄ってくる。逆ですね、人の真ん中に入っていって設置しているのであって、おっちゃんたちは不審そうに見ているだけ。実際若者が謎の機材を設置している状況は不審だろう。レーザータグは環境の影響を受けやすいのか、設定に手間がかかるし。

そして社交的な一部のおっちゃんはこちらに色々質問して絡んでくる。特に記録用カメラを持っている女性スタッフに絡んでくるのだけど、特に暴言を吐いてきているわけではないので放置。一番年かさのスタッフが適当にフォローしているし、おっちゃん同士でも怖がらせないように気をつかってくれてるようだったし。
極一部に、「年寄りに横文字はわかんねぇよ!」と大声で叫ぶ人はいたけど、そういうのも他のおっちゃんが「気にすんなよ」とこちらをフォローしてくれる。

やっとレーザータグが始まると、面白そうにしてくれる人が何人か寄ってくる。
興味深いのは、壁にプロジェクションしているのを見て、即座に「今度、映画鑑賞会をやらないか」と言ってきたおっちゃんがいること。そういう発想がギャラリー側から出るというのは想像していなかった。普段から文化活動をやっているのかね。

レーザータグ自体の動作についてはすぐに飲み込めたようで、自然と何を描いているのか当てるゲームが始まる。
だけど、レーザータグで思い通りに描くというのは結構難しいので、描く人自身にしか何を描いているのか分からないなんて事はざら。
だが、おっちゃんたちは、何を描いているのか分からないと、すぐに不機嫌になる。何だか分からないものに対して、かなり辛辣に非難する。抽象的なパターンが描かれるとすぐに不機嫌になり興味を失くす。逆にそれがどんなに単純であれ、具体的なものであれば喜ぶ。

今考えても、あの反応は極端過ぎるように思う。理由は何なのだろう。
何を描いているか当てるというゲームから外れること(答えが無意味な図形ではゲームにならない)に対する拒否反応なのか、それとも別の理由なのか。

勝手に不機嫌になるのはいいんだけど、「あれは何だ」とか言われると「何でしょうねえ」とか「ぐるぐるしているから、でんでんむし」とか適当な回答をせざるを得ない。描いている人ですら何描いているのか分からないのに、第三者が見て分かるわけないだろうに。
冷静になると、自分自身こそがゲームにとらわれていたのかな。求められていたのは答えではなく、会話だったのだろうし。

とはいえ、不機嫌な酔っ払いの相手をするのは大変なのです。
「これだけの機材持っているってことは、お前の両親は金持ちだろう」とか言ってくるし。少なくともその人よりは金持ちだろうけど、まさかそんな事を言うわけにもいかず、そういう発言は無視。
ほっといたら機嫌が直っていたので、対応としては悪くなかったはず。

そんなこんなでレーザータグは終了。
まあまあ成功したと言えるのではないだろうか。

技術的に気になったのは高輝度レーザーを使う点。ギャラリーにやってもらうにはかなり危険なように思う。
だからこそ、いまWiiTagを作ろうとしているわけだけど。