日曜日, 10月 04, 2009

寿町のレーザータグ

はんだの手伝いのついでに寿町でやったレーザータグを見に行った事は書いたけど、今回はその詳細と感想。

現場に行く前に、カメラをギャラリーに向けるなという説明を受けていて、まあ通行人=住人でもある可能性はかなり高いので、それ自体は分かるのだけど、カメラを肩にかけるのも止めた方がいいと念を押されて、昔何かあったのかなあと想像。
自分自身、うちの近所で、ごついデジタル一眼をぶら下げている人を見ると微妙な気分になるし。

事前知識から、山谷と似たような感じかなと思ったけど、実際に行ってみると山谷より活気があるというか人がたくさんいた。
あの時間帯(午後6時)に山谷に行ったことは無いので、正確な比較では無いけど、それでも山谷が東京の外れにあるのに比べると、寿町は横浜の市街地から地続きになっている感覚がある。

レーザータグをやったのは、その時は何も知らなかったけど、今調べたら寿労働センターというところらしい。市営住宅でもあるのかな。
人の家の前で、レーザー光線とプロジェクターによる投影をやるというのは、なかなか乱暴ですな。施設の許可は取っているみたいだけど。

で、設置をしていると、当然ながら人が寄ってくる。逆ですね、人の真ん中に入っていって設置しているのであって、おっちゃんたちは不審そうに見ているだけ。実際若者が謎の機材を設置している状況は不審だろう。レーザータグは環境の影響を受けやすいのか、設定に手間がかかるし。

そして社交的な一部のおっちゃんはこちらに色々質問して絡んでくる。特に記録用カメラを持っている女性スタッフに絡んでくるのだけど、特に暴言を吐いてきているわけではないので放置。一番年かさのスタッフが適当にフォローしているし、おっちゃん同士でも怖がらせないように気をつかってくれてるようだったし。
極一部に、「年寄りに横文字はわかんねぇよ!」と大声で叫ぶ人はいたけど、そういうのも他のおっちゃんが「気にすんなよ」とこちらをフォローしてくれる。

やっとレーザータグが始まると、面白そうにしてくれる人が何人か寄ってくる。
興味深いのは、壁にプロジェクションしているのを見て、即座に「今度、映画鑑賞会をやらないか」と言ってきたおっちゃんがいること。そういう発想がギャラリー側から出るというのは想像していなかった。普段から文化活動をやっているのかね。

レーザータグ自体の動作についてはすぐに飲み込めたようで、自然と何を描いているのか当てるゲームが始まる。
だけど、レーザータグで思い通りに描くというのは結構難しいので、描く人自身にしか何を描いているのか分からないなんて事はざら。
だが、おっちゃんたちは、何を描いているのか分からないと、すぐに不機嫌になる。何だか分からないものに対して、かなり辛辣に非難する。抽象的なパターンが描かれるとすぐに不機嫌になり興味を失くす。逆にそれがどんなに単純であれ、具体的なものであれば喜ぶ。

今考えても、あの反応は極端過ぎるように思う。理由は何なのだろう。
何を描いているか当てるというゲームから外れること(答えが無意味な図形ではゲームにならない)に対する拒否反応なのか、それとも別の理由なのか。

勝手に不機嫌になるのはいいんだけど、「あれは何だ」とか言われると「何でしょうねえ」とか「ぐるぐるしているから、でんでんむし」とか適当な回答をせざるを得ない。描いている人ですら何描いているのか分からないのに、第三者が見て分かるわけないだろうに。
冷静になると、自分自身こそがゲームにとらわれていたのかな。求められていたのは答えではなく、会話だったのだろうし。

とはいえ、不機嫌な酔っ払いの相手をするのは大変なのです。
「これだけの機材持っているってことは、お前の両親は金持ちだろう」とか言ってくるし。少なくともその人よりは金持ちだろうけど、まさかそんな事を言うわけにもいかず、そういう発言は無視。
ほっといたら機嫌が直っていたので、対応としては悪くなかったはず。

そんなこんなでレーザータグは終了。
まあまあ成功したと言えるのではないだろうか。

技術的に気になったのは高輝度レーザーを使う点。ギャラリーにやってもらうにはかなり危険なように思う。
だからこそ、いまWiiTagを作ろうとしているわけだけど。

0 件のコメント: